風を撮る

　北海道に住んでいた頃、オホーツク海に面した防風林で、シマリスを撮影するために日の出から日没まで居たことがあった。そのときに「その日の風の吹き始め」を経験した。

　防風林の遙か向こうの木々が「ざわざわ」と風と共に騒ぎはじめ、だんだん近づく。それが、その日の風の吹く最初の風だった。

　「いつか、風を撮ってみたい」と思ったのは、その頃。


　しかし、どうやって撮ったらいいのか。カメラで「パシャリ」とやっても、一瞬の風は写せても、その連続性の風は写すことが出来ない。

　かといって、ビデオで撮影するすの安易さには違和感があった。

　ここ近年のデジタルカメラの利便性から撮影法が考え出されて、真似事でも、その撮影方法の仕組みが理解でき、何となく表現できるようになった。



022-1 posted by (C)yamasasa


　風下から風上にカメラを向け、カメラに電子レリーズを取り付け、1秒ごとにシャッターが切れるように設定。画質は一番軽いモノで、とにかく連射が途切れないように撮影するのがポイント。今回は247カットを動画ソフト（iMovie）に一コマ一コマつなぎ合わせ、パラパラ漫画のように再生させた。
　WEB用に変換されるので、クオリティには不満が残るが「風」がしっかり吹いてくるのがお解りであろう？